JIS K 9512 適合品 ヒ素分析用試薬
N,N - ジエチルジチオカルバミド酸銀
N,N- ジエチルジチオカルバミド酸銀 (AgDDTC) は AsH3 と反応して、生成するコロイド状の銀が赤紫色を呈することより、微量ヒ素の定量試薬として使用されています。一般にはジエチルジチオカルバミン酸銀法 (AgDDTC 法、AgDDC 法 )と呼ばれています。
AgDDTC を溶かしたピリジン溶液に AsH3 を含むガスを吹き込むと、溶液は AsH3 と鋭敏に反応して赤紫色(λmax = 520 〜 540 nm)となります。 AgDDTC は、ピリジン溶液でしか発色しませんでしたが、ブルシンを含むクロロホルムでも同様に発色することが分かり、ピリジンの悪臭を避けるため代替として普及しています(ただし、ブルシンは毒性が非常に強いため、取扱に十分注意が必要です)。
AgDDTC による As の比色定量法の原理は、硫酸酸性中で還元されて試料から発生する AsH3 とN,N- ジエチルジチオカルバミド酸銀との反応にもとづいています。試料中の As をいかにして完全に AsH3 とし、AgDDTC 溶液に吸収させるかが重要となります。なお、AgDDTC による比色定量には必ず AsH3ガスの発生装置とその捕集装置が必要です。
AgDDTC を使用したヒ素の測定は、JIS や日本薬局法、食品衛生法で採用されていますが、JIS 規格に適合した試薬はなく、各方面から規格化試薬が求められていました。そこで、小社では JIS K 9512 適合品として新たに規格化を行い、発売を開始いたしました。
※本製品は、JIS K 9512 適合品です。
応用可能な金属 比色試薬として As, Sb
比色条件 As (ピリジン中 540 nm, 4 〜 12 ppm )
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