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銀イオノフォア

〈特長〉銀イオンに対し極めて高い選択性を示します。

 優れた特性をもつ遷移金属イオノフォア分子の開発が多くの研究機関で進められています。慶応義塾大学の鈴木先生のグループではピリジンおよびキノリン環を有する非環状化合物の中で銀イオンに対して極めて高い選択性を有する、Octadecyloxymethylpyridine(Ag ionophore)を開発しました。
 この化合物3wt%に対し、K-TCPB 20mol%、膜溶媒としてBis(1-butylpentyl)adipate(BBPA)67.9%、及びPVC29.1%で電極膜を作成し、セル構成として、Ag;AgCl,KCl(satd)│0.3mol/l NH4NO3│sample solution│membrane│10-3mol/l AgNO3,AgCl;Agでそのイオン選択性を検討した結果を図に示します。このイオノフォアは、優れた銀イオン選択性を示し、アルカリ及びアルカリ土類金属イオンに対しては殆ど応答しません。10-5〜10-2mol/lの範囲で銀イオンに対して良好なネルンスト応答を示します。この研究の結果から酸素原子とピリジン環の窒素原子の両方が銀イオンの配位サイトとして有効であることがわかりました。
 この銀イオン選択性電極は、これまでに報告されたものの中で最も優れたものであり、今後の応用に期待が持たれます。


Figure. Octabecyloxymethylpyridine(Ag ionophore)のイオン選択性

参考文献 上満、熊倉、Dwi、久本、鈴木、日本化学会第69回春季年会講演予稿集I、2C216.

コード番号品 名容 量価 格(\)
RequestOctadecyloxymethylpyridime10mg19,000