試料中のタンパク濃度を定量する方法として、Lowry法、Bicinchoninate(BCA)法、Biuret法、Bradfold法など、数々の方法が開発されています。中でも、Lowry法およびBCA法については現在良く用いられているタンパク定量法として知られています。この2つのタンパク定量法は、タンパクにより還元され生成した1価銅イオンと、それと特異的にキレートする試薬との錯体の吸光度を測定することによりタンパク濃度を測定するものです。よって高濃度の2価銅イオン溶液が必要なばかりでなく、測定溶液中に銅イオンを含むために測定後容易に廃棄することが出来ないなどの欠点があります。
ここに紹介する -Proteostain- Protein Quantification Kit は、高pH領域でのテトラゾリウム塩の還元反応に基づいている新しいタイプのタンパク定量キットです。テトラゾリウム塩は糖タンパクにより還元を受けホルマザンに変わります。例えば還元して生成したWST-8ホルマザンは中性領域では黄色ですが高pH領域では濃青色に変化します。このホルマザンのpH12.5以上での最大吸収波長は650nmです。-Proteostain- Protein Quantification Kitの測定レンジはBSA 換算で50μg/mlから5000μg/mlです。
タンパク定量法の一つであるBradfold法は、Coomassie Brilliant Blue Gを使用した迅速で高感度な定量方法です。Coomassie Brilliant Blue Gは、いわゆるpH誤差法によりタンパクと相互作用し酸性領域で青色に着色します。最も変化の大きい波長は590nmですのでその付近の波長での測定が効果的です。発色反応は速く約1分で完結し、発色後30分程度は安定です。したがって短時間にタンパク濃度を定量することが可能です。
-Proteostain- Protein Quantification Kit-CBBはCoomassie Brilliant Blue G溶液とタンパク標準溶液としてBSA溶液を組合せたキットで、マイクロプレートを用いたタンパク定量に適しています。測定範囲は一般的定量法の場合10μg/mlから2000μg/mlであり、マイクロ定量法では0.1μg/mlから50μg/mlです。