試作品
<特長>
・3時間以内にペルオキシダーゼ標識体が調製できる。
・高分子化合物(M.W.>50,000)から低分子化合物(M.W.<5,000) まで標識できる。
・Amine Reactive Peroxidaseと混ぜるだけで安定な共有結合を形成する。
・Filtration Tubeを用いた分離操作により高い回収率で標識体が得られる。
・付属の保存溶液でペルオキシダーゼ標識体の長期保存ができる。
ペルオキシダーゼは、エンザイムイムノアッセイ(EIA)や組織 染色などに利用される最も一般的な酵素で、多くのペルオキシ ダーゼ標識体が市販されていますが、研究の多様性から研究者が 自らペルオキシダーゼ標識体を調製するケースが増えてきていま す。ペルオキシダーゼを標識する方法は、グルタルアルデヒド法 や過ヨウ素酸法など、いくつか知られていますが、標識効率の低 さや標識に時間を要するといった問題があります。また、透析や ゲルろ過カラムを用いたバッファー交換は煩雑で時間がかかりま す。
Peroxidase Labeling Kit - NH2は、アミノ基を有する分子にペルオキシダーゼを標識するためのキットです。Amine Reactive Peroxidaseは、その構造内に活性エステル基を有しているため、 アミノ基を有する標的分子と混合するだけで安定な共有結合を形 成します。IgGのような分子量の大きい分子をサンプルに使用す る場合、付属のFiltration Tubeを用いて簡単にサンプルの前処理を行うことができます。ペルオキシダーゼ活性や標識反応を阻害 するような低分子化合物(アジ化ナトリウムやトリスなど)は、 Filtration Tubeを用いた前処理によって除去されるため、透析やゲルろ過などの処理を行う必要がありません。また、低分子化合 物を本キットを用いて標識する場合、未反応の低分子化合物は付 属のFiltration Tubeを用いた精製操作により除去されるため、高純度の標識体を得ることができます。
本キットには標識に必要なすべての試薬と作製したペルオキシ
ダーゼ標識体を保存するための溶液が含まれています。
<キット内容>3 サンプル標識用
Amine Reactive Peroxidase | 100 μg x 3本 |
Buffer A | 4 ml x 1本 |
Buffer B | 4 ml x 1本 |
Storage Buffer | 4 ml x 1本 |
Filtration Tube | 3本 |
(キット内容は平成16年1月15日現在のもので、予告なく変更される場合があります)
Fig .1 Amine Reactive Peroxidaseの標識反応
<操作方法>
IgGへの標識
1. IgG 50〜200 μgを含むサンプル溶液とBuffer A 100 μlを
Filtration Tubeに入れる。
2. ピペッティングにより軽く混合した後、遠心する(8000× g, 10分間)。
3. Buffer A 100 μlを加え、さらに遠心する(8000×g, 10分間)。
4. Buffer B 10 μlをAmine Reactive Peroxidaseに加え、ピペッティングにより溶解する 。
5. この溶液をIgGが濃縮されているFiltration Tubeの膜上に加える。
6. ピペッティングにより膜全体をリンスした後、37℃で2時間放 置する。
7. Buffer A 100 μlを加え、遠心する(8000×g, 10分間)。
8. Storage Buffer 200 μlを加え、ピペッティングし標識体を回収する。
9. 溶液を500 μl のマイクロチューブに移し、0〜5℃で保存する。
低分子化合物への標識
1. 10 mmol/lの低分子化合物溶液 5 μlと45 μlのBuffer Bを混合する。
2. この溶液をAmine Reactive Peroxidaseに加え、37℃で1時間放置する。
3. Buffer B 100 μlを反応液に加え、溶液をすべてFiltration Tubeに移す。
4. 遠心する(8000×g, 10分間)。
5. ろ液を捨てた後、Buffer B 200 μlをFiltration Tubeに加え、遠心する(8000×g, 10分間)。
6. ステップ5を繰り返す。
7. Storage Buffer 200 μlを加え、ピペッティングし標識体を回収する。
8. 溶液を500 μlのマイクロチューブに移し、0〜5℃で保存する。
Fig .2 本キットで合成したペルオキシダーゼ標識体の安定性
条件: 10 μg/mlペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジン(Storage
Buffer)を37℃で保存
<特長>
・3時間以内にペルオキシダーゼ標識体が調製できる。
・高分子化合物(M.W.>50,000)から低分子化合物(M.W.<5,000) まで標識できる。
・Sulfhydryl Reactive Peroxidaseと混ぜるだけで安定な共有結合を形成する。
・付属の還元剤を用いることで遊離SH基を持たないタンパク質へ の標識も可能 *。
・Filtration Tubeを用いた分離操作により高い回収率で標識体が得られる。
・付属の保存溶液でペルオキシダーゼ標識体の長期保存ができる。
* S-S結合の切断によってタンパク質の活性が失われる場合があります。
Peroxidase Labeling Kit - SHは、チオール基を有する分子にペルオキシダーゼを標識するためのキットです。Sulfhydryl Reactive Peroxidaseは、その構造内にマレイミド基を有しているため、チオール基を有する標的分子と混合するだけで安定な共有 結合を形成します。標的タンパク質がチオール基を持っていない 場合には、付属の還元剤を用いて遊離SH基を調製することが可 能です(ただし、S-S結合の切断によってタンパク質の活性が失 われる場合があります)。IgGヒンジ領域のチオール基を標識に利 用すれば、抗体活性を損なわずにペルオキシダーゼを標識するこ とができます。
IgGのような分子量の大きい分子をサンプルに使用する場合、 付属のFiltration Tubeを用いることで簡単にサンプルの前処理を行うことができます。ペルオキシダーゼ活性を阻害するような低 分子化合物(アジ化ナトリウムなど)は、Filtration Tubeを用いた前処理によって除去されるため、透析やゲルろ過などの処理を 行う必要がありません。また、低分子化合物を本キットを用いて 標識する場合、未反応の低分子化合物は付属のFiltration Tubeを用いた精製操作により除去されるため、高純度の標識体を得るこ とができます。
本キットには標識に必要なすべての試薬と作製したペルオキシ
ダーゼ標識体を保存するための溶液が含まれています。
Fig .3 Reducing Agent によるIgGの還元反応
Fig .4 Sulfhydryl Reactive Peroxidaseの標識反応
<キット内容>3サンプル標識用
Sulfhydryl Reactive Peroxidase | 100 μg x 3 本 |
Reducing Agent | 400 μg x 3本 |
Buffer A | 4 ml x 1本 |
Buffer B | 4 ml x 1本 |
Reaction Buffer | 4 ml x 1本 |
Storage Buffer | 4 ml x 1本 |
Filtration Tube | 3 本 |
(キット内容は平成16年1月15日現在のもので、予告なく変更される場合があります)
<操作方法>
●IgGへの標識
1. IgG 50〜200 μgを含むサンプル溶液とBuffer A 100 μlをFiltration Tubeに入れる。
2. ピペッティングにより軽く混合した後、遠心する(8000× g, 10分間)。
3. Buffer A 150 μlをReducing Agentに加え、ボルテックスして溶解する。
4. この溶液100 μl をFiltration Tubeに加える。
5. ピペッティングにより膜上のIgGと混合した後、37℃で30分 間放置する。
6. Buffer B 100 μlを加え、遠心する(8000×g, 10分間)。
7. ろ液を捨てた後、Buffer B 200 μlを加え、さらに遠心する(8000×g, 10分間)。
8. Reaction Buffer 50 μlをSulfhydryl Reactive Peroxidaseに加え、ピペッティングにより溶解する。
9. この溶液を還元IgGが濃縮されているFiltration Tubeの膜上に加える。
10. ピペッティングにより膜上の還元IgGと混合した後、37℃で 1時間放置する。
11. Buffer A 100 μlを加え、遠心する(8000×g, 10分間)。
12. Storage Buffer 200 μlを加え、ピペッティングし標識体を回収する。
13. 溶液を500 μlのマイクロチューブに移し、0〜5℃で保存する。
●低分子化合物への標識
1. 10 mmol/lの低分子化合物溶液 5 μlと45 μlのReaction Bufferを混合する。
2. この溶液をSulfhydryl Reactive Peroxidaseに加え、37℃で1時間放置する。
3. 100 μlのReaction Bufferを反応液に加え、溶液をすべてFiltration Tubeに移す。
4. 遠心する(8000×g, 10分間)。
5. ろ液を捨てた後、Reaction Buffer 200 μlを加え、 さらに遠心する(8000 ×g, 10分間)。
6. ステップ5を繰り返す。
7. Storage Buffer 200 μlを加え、ピペッティングし標識体を回収する。
8. 溶液を500 μlのマイクロチューブに移し、0〜5℃で保存する。