Q&A

細胞増殖アッセイキット

Cell Counting Kit

Cell Counting Kit-8

 小社が細胞増殖測定キットとしてCell Counting Kit(CCK)の販売を始めて10年が経過しました。その間に改良型のCell Counting Kit-8(CCK-8)、蛍光を利用した高感度なCell Counting Kit-Fを開発・製品化して、細胞増殖/細胞毒性試験にご利用 いただいております。 EUでは動物実験を行っている化粧品の販 売を2009年までに禁止するという法案が通過するなど、今後、動 物実験代替法の活用がますます増えることが予想されます。この 機会に、本キットをご使用いただく上で疑問となる点をQ&Aとし てまとめました。

(お問合せ先 Tel : 0120‐489548 フリーダイヤル)

Q1 CCK、CCK-8とMTTの違いは何でしょうか?

A1 細胞内の酵素により、テトラゾリウムがホルマザンになると いうのは共通したところです。それぞれの違いは、以下の通 りです。

【CCKシリーズ】

 生成するホルマザンが水溶性である(溶解操作が不要)。

 測定波長:400〜450 nm

 細胞全体の酵素活性を反映している。

 CCK-8:1ボトルタイプ。CCKより安定性・感度が向上 しています。

 CCK: 2ボトルタイプ。使用前に混合し、混合後は冷蔵 保存で3日以内にご使用ください。

【MTT】

 生成するホルマザンが非水溶性である。

 (有機溶媒等による溶解が必要)

 測定波長:550〜600 nm

 主にミトコンドリアの酵素活性を反映している。

 有機溶媒によるホルマザン溶解が必要な分、MTTの方が 操作が煩雑である。

<以下はCCK、CCK-8の測定に関するQ&Aです>

Q2 参照波長の600 nm 以上とは何を測定しているのでしょうか?

必ず測定しなければいけないのでしょうか?

A2 必ずしも測定する必要はありません。

600 nm 以上というのは試薬の吸収がない波長ですので、試料の濁りを確認することができます。濁りは測定値に影響を 与えますので、全体的な濁りを確認し、測定値から差し引く ためのものです。

試料によっては、ほとんど濁りのないものや、多少の濁りは 気にしない方もいらっしゃいます。実験系にあわせて測定し てください。

Q3 ブランク試験を行うとしたらどんな条件で吸光度を測定すれ ば良いでしょうか?(細胞単独、細胞+培地、培地のみ、い ずれもなし etc.)

A3 ブランクとして確認するのは3種類の考え方があります。

(1)細胞+培地にて600 nm以上を測定する

→細胞自体の濁りなどを確認するためのものです。測定しな い方も多くいらっしゃいます(Q2参照)。

(2)細胞+培地にて450 nm(測定波長)を測定する

→培地に着色がなければ必要ないと思いますが、確認まで。

(3)培地+試薬(CCK、CCK-8)にて450 nm(測定波長)を測定する。

→培地による試薬の誤発色がないかを確認しておく必要があ ります。

   また、薬物添加試験を行われるのであれば、薬物が添加さ れた条件で発色を確認していただきたいと思います。

ブランクとして大きく出てくるのは、Aの培地に着色がある 場合とBの試薬の誤発色です。

これらをご確認ください。

Q4 薬物添加試験(毒性試験)を行う際、薬物が発色に影響する ことはありますか?

A4 あります。

薬物に還元性があると、CCK(CCK-8)が誤発色することが あります。培地+試薬+薬物で発色を示すかをご確認くださ い。ブランクとして差し引けないほどの発色が見られる場合 には、試薬を添加する前に培地交換をして、系中から薬物を 取り除いてください。

Q5 説明書は96 wellでの測定例が示してありますが、24 wellや12 wellで測定を行う場合の添加量はどのようにすれば良いでしょうか?

A5 添加量は使用培地量の10分の1が目安です(1 mlであれば試薬を100 μlなど)。

細胞数などにより、試薬の量が少なくても測定できる可能性 もありますが、最初は10分の1量でのご使用をおすすめし ます。

Q6 同種の細胞であれば、カタログに掲載されている検量線を使 用しても良いでしょうか?

A6 検量線は、ご使用になる細胞の培地条件で作成してください。

細胞の活性は条件によりそれぞれ異なりますので、それぞれ の検量線が必要となります。

Q7 細胞により感度は異なりますか?

A7 付着細胞と浮遊細胞で大きく感度が異なります。

付着細胞であれば、1〜4時間発色させることで十分な感度 が得られます。しかし、浮遊細胞の場合、発色が弱く十分な 感度が得られないことも多々あります。その場合は発色時間 を長くしたり、細胞数を増やすことなどをご検討ください。

Q8 CCK、CCK-8の発色に阻害を与えるような物質は何ですか?

A8 アスコルビン酸や過剰に存在するグルコースなど一般的に還 元物質が共存していると正誤差が生じます。

(通常の培地成分程度であれば無視できる程度)。

フェノールレッドや血清は問題ありません。

フェノールレッドの場合、若干(5%程度)のブランク上昇 がみられますが、使用上は問題ありません。含有培地を用い て検量線を引いてください。

また薬剤によっては細胞の機能に影響を与えるものがあるよ うで、細胞の増殖能は止まっていても酵素活性を働かせたり (タンパク合成を行なったり)していると発色を起こしたりし ます。

負誤差の要因となる物質は、酸化剤や金属塩類(Q13参照) があります。

Q9 測定値がばらつきますが、どうすればいいでしょうか?

A9 対数増殖期にある細胞をご使用ください。その他に原因とし て3点考えられますのでご確認ください。

(1)呈色反応時のインキュベーション中の培地の乾燥

→特に外側のwellは蒸発しやすいので、一番外側のwellに は培地のみをいれてカウントからはずしてください。これ だけでも内側のwellの乾燥防止になります。

(2)発色液がウェルの壁についている

→試薬添加時にプレートの底をたたいて振り落としてくださ い。

(3)細胞数が多すぎる(または少なすぎる)

→1,000〜25,000 cells/well程度で測定を行なってください。

Q10 呈色反応を途中で止めたい(測定までに時間が空く)のです が、どうすれば反応を止められますか?

A10 CCK(CCK-8)の発色機構は細胞内に存在する脱水素酵素に 依存しているので、呈色反応を止めるにはこの酵素反応を止 めることが良いと考えられます。

下記のいずれかの方法で行なってください。

(添加量は96 wellの場合)

(1)0.1 mol/l HClなどの酸を10 μl添加する

 もし緩衡能の高い培地をご使用の場合は、もっと濃い酸を 添加してください。

 アルカリ溶液による反応停止はできません。反応液をアル カリ性にすると、生成したホルマザン色素が青変し、定量 性が失われます。

(2)1w/v% SDSを10 μl添加する

    SDSを添加される場合には、泡だたないように注意してください。表面に泡があると吸光度が高く出ます。

 *反応停止後24時間以内に測定してください。

Q11 感度が高すぎます。細胞数1,000〜25,000 cells/well程度とありますが、もっと多い細胞で測定したいと考えています。 感度を下げることは可能でしょうか?

A11 試薬添加後のインキュベート時間を短くすることで感度を下 げることは可能です。現在、2時間反応させているのであれ ば1時間にするなどご検討ください。

Q12 培地を除去せず試薬を加えても吸光度測定に問題はないので しょうか?

A12 基本的には問題ありません。

もし、特殊な培地で還元性物質などを含む場合は、培地と誤 発色を起こすことが考えられます。そのような培地では使用 できませんので別のものに置換していただく必要があります。

次の培地では、バックグラウンドが高く影響があります。

使用培地
IMDM
(Iscove's Modified Dulbecco's Medium)
McCoy's 5A Medium(modified)

Q13 添加する薬物の中に金属が入っています。金属が系中に存在 することで、発色に影響あるでしょうか?

A13 金属はCCK、CCK-8の発色に影響を与えます。

終濃度1 mmol/lの塩化亜鉛、塩化鉄、硫酸銅は、それぞれ5%、15%、90%程度発色反応を阻害します。つまり、感度 が低く出ます。10 mmol/lの金属では、いずれも100%発色を阻害します。上記濃度以下でご使用ください。

Q14 細胞増殖は抑えられていてもタンパク質の合成が促進されて いる場合は、吸光度と実測の細胞数との間に開きがでる可能 性はありませんか?

A14 可能性は十分あります。

CCK、CCK-8の発色原理は、増殖能そのものを見ているの ではなく、細胞内の脱水素酵素による還元性を反映していま す。

よって対数増殖期にある細胞であれば、そのときの酵素活性 が細胞数と吸光度に相関がとれます。

細胞増殖が抑えられていてもタンパク質合成が促進されてい る場合は、実際の細胞数より高い数値が出る可能性もありま す。

Q15 前培養後、細胞培地から剥がして数える必要がありますか?

A15 最初に対数増殖期にある細胞をトリプシン処理し、血球計算 盤で細胞を計数して細胞浮遊液を調製すれば、あとは実際に カウントする必要はありません。しかし、厳密に細胞数をカ ウントして検量線作成する時は、測定前に一部を剥がしてカ ウントしてください。

品名 容量 本体
価格(¥)
コード メーカーコード
Cell Counting Kit 500回用 11,000 349-06461 CK01
2,500回用 32,600 345-06463 CK01
Cell Counting Kit-8 100回用 4,000 341-07761 CK04
500回用 11,600 347-07621 CK04
2,500回用 33,600 343-07623 CK04
10,000回用 99,000 - CK04

関連商品

品名 容量 本体
価格(¥)
コード メーカーコード
Cell Counting Kit-F 100回用 5,400 347-07741 CK06
500回用 11,600 343-07743 CK06
MTT(lyophilized) 500回用 4,200 344-07631 CK05
2,500回用 16,000 340-07633 CK05
HEPES 25 g 2,200 348-01372 GB10
100 g 6,400 346-01373 GB10
250 g 13,800 340-01371 GB10
500 g 23,000 342-01375 GB10
1 kg 44,200 340-01376 GB10
HEPES buffer solution 100 ml 11,000 345-06681 GB60
1-Methoxy PMS 100 mg 5,800 345-04001 M003
1 g 40,000 341-04003 M003
WST-1 25 mg 8,200 342-06451 W201
100 mg 18,000 348-06453 W201
500 mg 61,000 346-06454 W201