新製品紹介


遺伝子導入試薬 HilyMax

 HilyMax(ハイリーマックス)は、新規に開発したカチオン性リポソームを利用した導入試薬です。(特許出願:PCT/JP2006/304514)
 多岐にわたる動物細胞へ、プラスミドDNAを高効率に導入することができます。またsiRNA用導入試薬としても使用可能です。培地中の血清の影響を殆ど受けないため、遺伝子導入時の面倒な培地交換をする必要がありません。
 HilyMaxは、化学合成品のため、遺伝子導入時に影響を及ぼす可能性のある生物由来成分は含まれていません。

特長
・ 多岐にわたる細胞へDNAを高効率に導入
・ 血清を含む培地での導入が可能
・ 導入遺伝子の細胞内シグナル応答が良好
・ コストパフォーマンスに優れた純国産導入試薬

シグナル伝達研究への利用
薬物刺激による応答の比較 24-wellプレートにて細胞密度90% confluentのA549細胞に対し、NF-kB依存的に転写活性化されるIL-8Lucを組み込んだプラスミドDNAを血清存在下でトランスフェクションした。
トランスフェクション24時間後にTNF-a(NF-kBの活性化物質)、またはTNF-a+dexamethasone(NF-kBの抑制物質)を添加した。添加剤投与6時間後にTNFa及びdexamethasoneによる転写刺激応答をLuciferase活性にて確認した。
結果、HilyMaxにてトランスフェクションした細胞では、I社導入試薬のものに比べ、薬物刺激による応答が著明であった。
(データ提供:熊本大学大学院 医学薬学研究部 薬物活性学分野 礒濱洋一郎先生)

HilyMaxと汎用されている市販品でのプラスミドDNA導入率比較

HilyMaxと汎用されている市販品でのプラスミドDNA導入率比較表

導入手順

・ ワンチューブによるシンプルプロトコール

・ 遺伝子導入前の培地交換が不要
導入手順イラスト

HilyMaxを用いた遺伝子導入による各細胞でのGFP発現

CHO細胞 HEK293細胞 HeLa細胞  
CHO細胞の画像 HEK293細胞の画像 HeLa細胞の画像  
A549細胞 NIH3T3細胞    
A549細胞の画像 NIH3T3細胞の画像  各培養細胞を遺伝子導入前日に24-wellプレートに播種。hsGFP遺伝子発現ベクターを80% confluentの各培養細胞へ血清存在下で遺伝子導入を行い、24時間後に蛍光顕微鏡で観察した。

初代培養細胞(COV)への遺伝子導入 血球系細胞(DT40)への遺伝子導入
初代培養細胞(COV)への遺伝子導入のグラフ 血球系細胞(DT40)への遺伝子導入のグラフ

 COV(ニワトリ卵巣由来)細胞およびDT40(ニワトリB細胞由来)細胞にpGL3 vectorを血清存在下でトランスフェクションし、24時間後に導入活性を測定した。
(データ提供:就実大学薬学部 生物薬学科 分子細胞薬学ユニット 工藤季之先生)

HEK293細胞への遺伝子導入

ウェスタンブロット法による発現タンパクの確認画像 1:HilyMax
2:R社導入試薬1
3:R社導入試薬2
4:I社導入試薬
5:Non-transfected

 6-wellプレートにて細胞密度70%confluentのHEK293細胞に対し、HilyMax及び市販導入試薬を用いてHerpes virus protein cDNA発現プラスミド(pcDNA3由来) 0.5 μgを血清存在下でトランスフェクションし、48時間後にウェスタンブロット法により目的タンパクの発現を確認した。
(データ提供:鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科 附属難治ウイルス病態制御研究センター 分子ウイルス感染研究分野 草野秀一先生)
siRNA導入によるEGFPノックダウン
siRNA導入によるEGFPノックダウンのグラフ  24-wellプレートにてEGFPを安定発現しているCHO細胞に対し、HilyMaxを用いてGFP siRNAを血清存在下でトランスフェクションした。24時間後にフローサイトメトリーにてEGFPのノックダウン率を測定した。
(データ提供:福岡県工業技術センター 生物食品研究所 楠本賢一先生)

導入実績細胞種
導入実績細胞種の細胞名と由来


Q & A

Q1 HilyMaxは、どのような細胞種に使用できますか?

A1NIH3T3、CHO、HEK293、HeLa、A549細胞をはじめ、 初代細胞、幹細胞など、広範囲な細胞種への高効率遺伝子導入が可能です。I社導入試薬と同等以上の導入率を示した細胞種をp17に示しております。

Q2 何故、HilyMaxは低価格で提供が可能なのですか?

A2原料である陽イオン性脂質を自社合成することにより、大量スケールでの導入試薬製造を実現しました。また完全化学合成品のため、動物由来成分を含みません。

Q3 細胞種毎での導入プロトコルはありますか?

A3遺伝子導入に広く用いられている細胞種(NIH3T3、CHO、HEK293、HeLa)における、最適導入条件を記載したプロトコルをご提供いたします。また、導入実績のある細胞種については、随時HP上で更新していく予定です。

Q4 市販の導入試薬と比べて、どの程度の導入効率、毒性を示し ますか?

A4導入条件を最適化することにより、汎用されている導入試薬(I社導入試薬)よりも高い導入率を示します。毒性についても、最適化を行うことで、殆ど毒性が確認されない条件での高効率遺伝子導入が可能です。

Q5 他の試薬にはない特徴はありますか?

A5サイトカインに関する研究で遺伝子導入を行った際、これまで使用していた導入試薬では転写活性にバラツキが大きかったのですが、HilyMaxで遺伝子導入した細胞は、転写活性が安定しているとの結果を数名の先生から頂いております。このことからもHilyMaxによる遺伝子導入は、細胞内シグナル伝達に影響を与えにくいと考えられます。


品名 容量 価格(¥) メーカーコード
HilyMax 1.0 ml 20,000 H357