お知らせ

第17回フォーラム・イン・ドージン開催のご案内
生命活動を支えるRNAプログラム

 昨年のフォーラム・イン・ドージンは、2本鎖RNAによって相補的な遺伝子の発現が抑制されるRNA干渉を主題に行ったが、奇しくも今年のノーベル医学生理学賞は、このRNA干渉を発見した2名の米国研究者に与えられることになった。昨年のフォーラムの際に、翌年のテーマについて参加者にアンケートしたところ、RNAに関する希望が多く寄せられた。
 遺伝子をコードしないnon-coding RNAが実は多彩な生命機能を調節しており、その広汎な役割が少しづつ明らかになり、生物学そのものが変ろうとしている。そういった大きなうねりを少しでも感じられたらという想いから、RNA研究の第一線で活躍されている研究者を熊本に集め、「生命活動を支えるRNAプログラム」というタイトルで、11月17日、第17回フォーラム・イン・ドージンを開催した。

第17回フォーラム・イン・ドージンパネル

 今回の世話人は塩見 春彦 先生(徳島大ゲノム機能研究センター)にお願いした。さらに、塩見先生を中心に以下の先生方にそれぞれ講演をお願いした。菅 裕明 先生(東大先端研)は、先生のところで開発されたフレキシザイム技術によるタンパク質の翻訳合成について話された。
 続いて、井上 邦夫 先生(神戸大理)がゼブラフィッシュの発生過程におけるマイクロRNAの役割について講演された。
 午後のセッションでは、鈴木 勉 先生(東大工)がRNA修飾について、宮川 さとみ 先生(大阪大医)がマウスの精子形成におけるエピジェネティック制御について、今泉 和則 先生(宮崎大医)がスプライシング異常について、最後に、谷 時雄 先生(熊本大理)がmRNAの輸送について講演された。
 いずれも最先端の研究内容を分かりやすく工夫された魅力的なプレゼンテーションであったが、特に、菅先生の講演はケミストリーを踏まえたもので、強く印象に残った。
 参加者は昨年同様約120名とかなり多く、地元熊本以外に、東京、大阪から参加された方もおられた。会場はいつもながら、参加者からの熱心な質問が相次ぎ、やはりこの分野への関心が高いことが感じられた。参加者からのアンケートの意見も、内容がタイムリーで優れている点、また、熊本で最先端の話しが聞ける点などを評価したものが多かった。

(株)同仁科学研究所のブースの様子

 また、今回初めての試みとしてランチョンセミナーを実施し、小社が最近開発した遺伝子導入試薬“HilyMax”の紹介を行った。共同開発者である福岡県工業技術センター(生物食品研究所)の楠本先生に、HilyMaxによるsiRNAの導入実績について発表していただいた。
 同時に会場に設置した製品案内用のブースに立ち寄られる方も多く、今回のテーマとマッチした効果的な製品紹介を行うことができた。



 また、代表世話人の山本先生(熊大医)、さらに、座長を引き受けていただいた中尾先生(熊大発生研)および遠藤先生(熊大小児科)にもご尽力いただきました。詳しくは、どうぞ要旨集をご覧ください。要旨集をご希望の方は、小社(info@dojindo.co.jp)までご連絡ください。
(佐々本)