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新製品 (10月末発売予定)
微生物検出キット(比色) Microbial Viability Assay Kit-WST

 薬剤感受性検査、抗菌物質スクリーニング、食中毒菌検査など微生物の生存率測定は非常に注目される分野です。一般的にコロニー形成能で目視評価されますが、長い時間がかかったり操作に熟練を要したりと煩雑な点があります。

 この度弊社では福岡県工業技術センターとの共同開発により、微生物の比色検出キットを開発致しました。各種の微生物検査への応用が期待される製品です。

 微生物はエネルギー代謝活動で細胞内に産生するNAD(P)Hを利用して、mediatorを還元することができます。更に、mediator還元体はWST-8を還元し、水溶性formazan(オレンジ色)が生成されます。生成するformazan量は微生物のエネルギー代謝活性に比例するため、微生物のviabilityが高いほどオレンジ色に呈色します。また、WST-8は感度が高く、培地成分の影響を受けにくい(低バックグラウンド)という特長を有します。

 このようにMicrobial Viability Assay Kit-WSTは、微生物のエネルギー代謝活性を発色という非常に分かりやすい手法で検出できるキットです。

<特長>
  • エネルギー代謝活性を指標とした微生物の比色検出キットです。
  • 培地成分による影響を受けにくい製品です。
  • マイクロプレートを使ったアッセイが可能です。
  • 薬剤感受性試験への応用が可能です。

<キット内容>
  • WST-8 solution  1 ml × 5 tubes
  • electron mediator reagent (DMSO solution)  0.5 ml × 1 tube
※1キットで500 tests(96wellプレート5枚分)が可能です。

<本キット以外に必要なもの>
  • マイクロプレートリーダー(測定波長:450〜490 nm)
  • 96穴マイクロプレート
  • マイクロピペット及びチップ
  • インキュベーター(25〜37℃)

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発色原理


各種微生物における発色感度

微生物
Cell density (CFU/ml)
1h 4h
Yeast Candida utilis
5.53×107 6.18×106
Saccharomyces cerevisiae
8.70×105 2.65×105
Zygosaccharomyces rouxii
1.65×105 2.47×104
Gram-positive bacteria Bacillus cereus
6.70×105 6.77×104
Bacillus subtilis
2.45×106 6.71×105
Corynebacterium glutamicum
1.69×106 2.47×105
Enterococcus faecalis
5.18×107 1.76×106
Lactobacillus casei
8.40×107 2.34×106
Listeria monocytogenes
5.07×106 6.46×105
Micrococcus luteus
8.29×105 1.29×105
Staphylococcus aureus
2.78×106 2.71×105
Staphylococcus epidermidis
5.53×106 1.12×106
Gram-negative bacteria Acetobacter sp.
2.53×107 7.39×106
Escherichia coli
1.31×107 2.86×105
Klebsiella pneumoniae
1.76×107 5.59×105
Proteus mirabilis
7.42×106 1.35×106
Pseudomonas aeruginosa
1.76×108 1.78×107
Salmonella enteritidis
2.55×107 1.06×106
Salmonella typhimurium
1.73×107 2.60×106
Serratia marcescens
7.15×107 5.08×106
Vibrio parahaemolyticus
2.90×107 1.03×107
Yersinia enterocolitica
1.92×107 5.46×106

*Cell density ( CFU/ml )
発色試薬添加後、1時間または4時間インキュベートし、測定した吸光度(460 nm)が0.5以上であった各微生物の細胞密度。


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培地成分の影響

 微生物の培養には各種培地が使用され、その成分も様々です。つまり、これら培地成分による非特異的な発色(還元反応)が起こりにくいという事が検出試薬にとって重要なポイントです。
Microbial Viability Assay Kit-WSTは、培地成分による還元を殆ど受けません。

培地成分を含むPBS(pH 7.0)で、37℃にて24時間インキュベートし吸光度を測定した。


Proliferation Assay

微生物 : E.coli (NBRC3972)
培地  : Mueller-Hinton 培地
E.coliをMicrobial Viability Assay Kit-WSTを含むMueller-Hinton 培地でインキュベート(37℃)し、一定時間毎に吸光度を測定した(460 nm = λmax WST-8 formazan )。
 ※細胞密度は寒天培養法により得られたコロニー形成数より算出した。細胞密度として4 CFU/mlの大腸菌を約8時間で検出できました。


薬剤感受性試験への応用

 黄色ブドウ球菌(SA)及びメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を用い、Oxacillinによる薬剤感受性試験を実施した。
Staphylococcus aureus subsp. aureus(NBRC12732)
Methicillin-resistant Staphylococcus aureus subsp. aureus(JCM8702)

 SA及びMRSAをOxacillinを含むMueller-Hinton 培地中で6時間(35℃)インキュベートした後、発色試薬を添加し2時間(35℃)反応させた。(※温度は従来法と合わせた)
 MRSAはSAに比べ高い薬剤耐性を示した。また、本キットで得られたMIC(最小発育阻止濃度)値と微量液体希釈法(日本化学療法学会標準法、CLSI法)で得られたMIC値に高い相関性が認められた。
 微量液体希釈法は肉眼による菌の発育の有無でMIC値を決定するため、判定が非常に大変です。また、肉眼により菌の発育を確認するためには少なくとも20〜24時間が必要です。
 Microbial Viability Assay Kit-WSTを用いることで、生育阻害を吸光度として数値化できます。
 更に、微量液体希釈法に比べて非常に短時間で結果を得ることが可能です(標準8時間程度)。


 本製品は、福岡県工業技術センター生物食品研究所との共同開発品です。

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