加水分解性徐放型　硫化水素ドナー

-SulfoBiotics- GYY4137

　硫化ナトリウム（Na₂S）や硫化水素ナトリウム（NaHS）は、最も一般的な硫化水素ドナーとして硫化水素研究に用いられています。しかしながら、水に溶解するとすべて硫化水素（イオン）に変換されるため、一過性の硫化水素刺激しか与えることができません。そのため、近年数多くの徐放型の硫化水素ドナーが開発されてきており、小社でも GYY4137 を製品化致しました。 GYY4137 は、P. K. Moore らによって開発された徐放型の硫化水素ドナーであり、加水分解によって持続的に硫化水素を放出する試薬です（Fig. 1, 2）^1）。そのため、硫化ナトリウムや硫化水素ナトリウム添加のような一過性の刺激では観察されない細胞応答を引き起こすことが確認されています ^{1, 2）}。

参考文献

1） 　L. Li, M. Whiteman, Y. Y. Guan, K. L. Neo, Y. Cheng, S. W. Lee, Y. Zhao, R. Baskar, C-H. Tan and P. K. Moore, Circulation, 2008, 117, 2351.

2）　 Z. W. Lee, J. Zhou, C-S. Chen, Y. Zhao, C-H. Tan, L. Li, P. K. Moore and L_W. Deng, PLos One, 2011, 6, e21077