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▼ Cell Counting Kit-F
▼ Cell Counting Kit
▼ Counting Kit-8
▼ MTT(凍結乾燥品)
▼ Cell Counting Kitシリーズの使い分けについて
Cell Counting Kit-F
《キット内容》
試薬溶液(1アシストチューブ)・・1本
・Calcein-AM / DMSO溶液
《特長》
1)細胞内エステラーゼにより加水分解されて生じたCalceinが生細胞の細胞質全体を染めることでその蛍光を読み取り、生細胞数を測定するものである。蛍光で測定するため高感度に測定できる。
2)細胞にインキュベートするだけで測定できる。
3)浮遊系・付着系の両方の細胞に用いることができる。特に浮遊系細胞では、テトラゾリウム系で感度が低いため、効果の高い方法である。
4)HeLa細胞・HL60細胞で、50個から25000個まで測定できる。
《細胞増殖測定方法》
1)細胞の準備
・対数増殖期にある細胞の懸濁液を遠心分離(1000rpm,5min)により細胞と培地に分離し、培地を除去する。PBS(−)バッファーで1,2回細胞を洗浄する。
・目的細胞数になるようにPBS(−)バッファーで希釈し、96穴マイクロタイタープレートの各ウェルに100μlずつ播種する。
・CO2インキュベーターで前培養する。
2)試薬準備
・プレート1枚当たり、試薬溶液20μlを試験管に分取し、PBS(−)バッファー1 mlを加える。(50倍希釈)。
(この溶液は用時調製する。調製した溶液はその日のうちに使い切ること。)
3)試薬添加
・試薬溶液(50倍希釈液)を各ウェルに対して10μl加え、よく混和する。
4)発色と測定
・室温で30〜60分発色させた後、蛍光プレートリーダーで測定する。
(検出:λex=485 nm, λem=535 nm)
《使用上の注意》
・ブランクが上がる為、測定時にはフェノールレッド、血清は使用できない。
・リンパ球細胞や低細胞数域(〜1000cells/well)で使用する場合、十分な感度を得るためにルミノプレート(白色)を用いる。
・500回用で96穴プレート5枚分使用可能。細胞種、細胞数によりさらに感度を必要とする場合、20倍希釈で使用しても良い。この場合200回分となる。試薬溶液がやや濁るので十分に混和して使用すること。
《保存上の注意》
キット溶液は-20℃で6か月安定。解凍は外容器のまま室温に放置して行う。残った溶液は直ちに-20℃で凍結して保存する。
また、バッファー希釈後の試薬溶液はその日のうちに使いきること。
Cell Counting Kit
《キット内容》
試薬A: WST-1
(凍乾品) HEPES
溶液B: 1-Methoxy PMS
(赤色水溶液)
試薬A、溶液B各1本/500回用(2,500回は500回用の5本組)
《特長》
1)テトラゾリウム塩およびホルマザンとも高水溶性であるため、MTTアッセイのようなホルマザンの溶解操作が不要である。
2)他の水溶性タイプのテトラゾリウム塩(XTT、MTS)より高感度である。
《細胞増殖測定法》
1)試薬溶液調製法
・溶液Bを全量注射器で吸い取り、試薬Aに注入溶解し試薬溶液とする。(試薬Aは真空状態ですのでゴム栓を開けると試薬が飛散する恐れがあります。注射器で溶液Bを注入した後開けて下さい。)
2)測定方法
・対数増殖期にある細胞を目的の細胞数になるように計数し、96穴マイクロタイタープレートの各ウェルに100μl ずつ播種する。
・CO2インキュベーター内で前培養する。
・試薬溶液10μlを各ウェルに加えてよく混和する。
・CO2インキュベーターで1〜4時間呈色反応を行う。
(反応時間は1〜4時間、細胞の種類により異なる。)
・反応後、マイクロプレートリーダーで測定する。
(測定波長:400nm〜450nm、参照波長:600nm以上)
《使用上の注意》
1)フェノールレッドを含む培地も使用可能。
2)必要に応じて試薬溶液は0.22μmメンブランフィルターで瀘過滅菌する。
3)細胞の種類および数により発色感度が異なるため、検討の上使用する。
4)発色が十分でないときは継続して培養し、発色条件を決定する。
5)呈色後、以下の方法で反応を停止することができる。
(1)マイクロタイタープレートを4℃に冷却する。
(2)0.1mmol/l HClを10μl 添加する。
(3)1w/v % SDSを10μl 添加する。
反応停止後24時間以内に測定する。
《保存上の注意》
・Kitは冷蔵保存。試薬A・Bの混合後は、冷蔵で3日間保存可能。3日間で使いきってしまわない場合は混合後、適当量を分注し冷凍保存すれば1か月は使用可能である。
・凍結/融解は繰り返さないこと。
Counting Kit-8
MTT(凍結乾燥品)
《試薬内容》
MTT 25 mg/バイアル(500回用)‥‥1本
《特長》
1)水に簡単に溶けるので、試薬の調製が簡単である。
2)1バイアルあたりMTT 25mgを測り込んであるため、使用する緩衝溶液または培地を5ml添加すると、500回分(96穴マイクロタイタープレート5枚分)の試薬溶液が簡単に調製できる。
《細胞増殖測定方法》
1)試薬溶液調製法
MTT(凍結乾燥品)1バイアルに5mlの緩衝溶液および培地を加え、内容物を溶解させる。これで500回分の試薬溶液となる。必要に応じて試薬溶液は0.22μmメンブランフィルターで瀘過滅菌して用いる。
2)測定方法
・対数増殖期にある細胞を目的の細胞数になるように計数し、96穴マイクロタイタープレートの各ウェルに100μl ずつ播種する。
・CO2インキュベーター内で前培養する。
・試薬溶液を各ウェルに10μl ずつ添加する。
・CO2インキュベーター内で4時間呈色反応を行う。
・溶解液を100μl 添加しホルマザンを溶解する。
・マイクロプレートリーダーを用い、570nm(参照波長:650nm以上)の吸光度を測定する。
《使用上の注意》
1)細胞の種類および数により発色感度が異なるので、十分に検討して使用する。
2)溶解液としては、10% SDS/0.01mol/l HCl、0.04mol/l HCl/isopropanol および DMSO を使用する。
3)生成するホルマザン色素の極大吸収波長は570nm付近にあるので、高感度に測定するためには550〜600nmの波長フィルターを使用した方がいい。
《保存上の注意》
MTT(凍結乾燥品)は-20℃で12か月安定。溶解後水溶液は遮光して-20℃で保存し、なるべく早く使用する。PBS緩衝溶液で溶解した場合、遮光、-20℃で6か月安定。また試薬溶液の凍結/融解操作はなるべく行わないこと。
《参考文献》
1)T. Mosmann, J. Immunol. Methods, 65, 55-63(1983).
2)D. Gerlier et al., J. Immunol. Methods, 94, 57-63(1986).
3)S. P. C. Cole, Cancer Chemother Pharmacol, 17, 259-263(1986).
4)M. C. Alley, et al., Cancer Res., 48, 589-601(1988).
Cell Counting Kitシリーズの使い分けについて
Q1)高感度に測りたい場合は?
A1)(蛍光プレートリーダーがある場合)
→Cell Counting Kit-Fがお勧めです。細胞数約50個から測定ができます。
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測定波長:λex=485nm 測定機器:Spectra Fluor (TECAN社) |
(蛍光プレートリーダーがない場合)
→Cell Counting Kit-8がお勧めです。細胞数約1000個から測定ができます。
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使用培地: HeLa細胞:MEM (10%牛胎児血清含有) HL60細胞:RPMI1640 (10%牛胎児血清含有) 呈色反応: HeLa細胞:37℃、5%CO2、1時間(■)、2時間(▲) HL60細胞:37℃、5%CO2、1時間(■)、2時間(●) 測定波長:450nm (参照波長650nm) |
Q2)とにかく簡単に測りたい場合は?
A2)Cell Counting Kit-8がお勧めです。1ボトルタイプで操作が簡単です。
〈Cell Counting Kit-8による細胞増殖測定方法〉
細胞の前培養
↓
試薬溶液10μlの添加
↓
呈色反応(1〜4時間:細胞の種類により異なります)
↓
マイクロプレートリーダーで測定
(測定波長:450nm、参照波長:600nm以上)
Q3)報告例が多い方がいいという場合は?
A3)MTTが最も多く報告されています。最近はWST-1 assay(Cell Counting Kit)を用いた文献数も増えてきています。
《WST-1 assayに関する参考文献》
1)M. Ishiyama, et al., Chem. Pharm. Bull., 41,1118-1122(1993).
2)T. Yano, et al., Cytotechnology, 16, 167-178(1994).
3)M. Ishiyama, et al., In Vitro Toxicology, 8, 187-189(1995).
4)S. Shirahata, et al., Biosc. Biotech. Biochem., 59, 345-347(1995).
5)K. Teruya, et al., Biosc. Biotech. Biochem., 59, 341-344(1995).
6)T. Iwaki, et al., Brain Research, 673, 47-52(1995).
7)S. Q. Liu, et al., Nature Medicine, 1, 267-271(1995).
8)T. Takenouchi, et al., Life Sciences, 56, 479-484(1995).
9)M. Ishiyama, et al., Biol. Pharm. Bull., 19, 1518-1520(1996).
Q4)とにかく安いのがいいという場合は?
A4)価格だけで見るとMTTが最も安くなります。しかし、操作性・測定時間・感度面を考慮すると、Cell Counting Kitシリーズはお得なキットと考えることができます。
Q5)測定誤差が少ない方がいいという場合は?
A5)MTTは有機溶媒でホルマザンを溶解する操作が入るため誤差が生じ易くなります。それに比べるとCell Counting Kitシリーズはどれも操作が簡便で誤差は少なくなります。
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使用細胞:HeLa細胞 使用試薬: (●)Cell Counting Kit (△)MTT 反応時間: Cell Counting Kit 37℃、2時間、5% CO2 MTT 37℃、3時間、5% CO2 測定波長: Cell Counting Kit :450nm MTT:570nm 使用培地:DMEM(10%牛胎児血清含有) |
Q6)[3H]-チミジン法の代替として使うことは可能でしょうか?
A6)可能です。下記グラフの通り、各Kitとも相関が得られています。RIを使わなくて良いため簡便に使用出来ます。
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MTT(凍結乾燥品) | |
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λex=490nm | λmax=460nm | λmax=438nm |
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細胞生存率 |
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CCK-F:Cell Counting Kit-F CCK-8:Cell Counting Kit-8 CCK:Cell Counting Kit |
コード番号 |
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347-07741 | Cell Counting Kit-F |
100回用
|
4,800
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343-07743 | Cell Counting Kit-F |
500回用
|
9,800
|
343-06464 | Cell Counting Kit |
100回用
|
3,300
|
349-06461 | Cell Counting Kit |
500回用
|
9,800
|
345-06463 | Cell Counting Kit |
2,500回用
(500回用×5本) |
29,000
|
341-07761 | Cell Counting Kit-8 |
100回用
|
3,700
|
347-07621 | Cell Counting Kit-8 |
500回用
|
10,700
|
343-07623 | Cell Counting Kit-8 |
2,500回用
(500回用×5本) |
31,000
|
344-07631 | MTT(凍結乾燥品) |
500回用
|
3,800
|
340-07633 | MTT(凍結乾燥品) |
2,500回用
(500回用×5本) |
14,500
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345-01821 | MTT |
100mg
|
1,800
|
341-01823 | MTT |
1g
|
12,000
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345-04001 | 1-Methoxy PMS |
100mg
|
5,200
|
341-04003 | 1-Methoxy PMS |
1g
|
35,300
|
348-01372 | HEPES |
25g
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2,000
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345-06681 | HEPES Buffer Solution |
100ml
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9,800
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※Cell Counting Kit シリーズのプロトコールに関しましては下記の書籍がございます。ご参照下さい。
野村慎太郎、渡邉俊樹監修“脱アイソトープ実戦プロトコール”秀潤社(1998)