19 その他の生化学、分析用試薬

Sodium biphenyl

Sodium biphenyl

分析用試薬: 含ハロゲン化合物の分解

  • 製品コード
    B008  Sodium biphenyl
  • CAS番号
    5137-46-2
  • 化学名
    Biphenyl radical (1- ), sodium
  • 分子式・分子量
    C12H10Na=177.20
容 量 メーカー希望
小売価格
富士フイルム
和光純薬
10 ml x 5 ¥13,400 343-00303

性質

Sodium biphenyl(ビフェニルナトリウム、ビフェニルソーダとも呼ぶ)は有機ハロゲン化合物を強力に分解し、ハロゲン分析を容易にする試薬である。
Sodium biphenylは、ジメトキシエタンを溶媒とした、ほぼ1 mol/lの濃度の青緑色溶液である。極めて活性が強く、金属ナトリウムに勝る還元力を示し、しかもこの溶液はかなり長期間安定である。例えば、四塩化炭素、クロロベンゼンなど有機ハロゲン化合物に、ビフェニルナトリウムを混合し20~30分間振とうするだけで完全に分解されて、共有結合した塩素はClとなって分離される。このClを定量(例えばAgNO3滴定)することにより、有機ハロゲン化合物を定量できる。
極めて反応性が強いので、空気中に放置すれば直ちに酸化され、また、水分が混入すれば同様に分解するので、小容量の硝子バイアル瓶入りとして販売している。バイアル瓶入の状態では、冷暗所に保存すればかなり安定で、25℃で1ヶ月、5℃では約1年(凍結しないよう注意)保存できる。

応用可能な物質
・含ハロゲン化合物の分解
 有機ハロゲン化合物例えばPCBや農薬などの公定分解用および産業廃棄物の分解
・重合触媒として
 スチレン、アクリロニトリル、ポリビニール系など

注 意
1年の有効期間は各ロットごとにラベルに明示してあるが、納入後有効期間が切れたものは交換に応じかねるので御注意いただきたい。ただ、有効期間経過後も青緑色を保っていれば十分使用可能である。
 過剰の試薬を分解する際、希に一瞬発火することがある。分液ロートでは直ぐに密栓すると引火することはないが、分解の際は注意が必要である。

応用例
産業廃棄物中の有機塩素化合物をn-ヘキサンで抽出分離し、分液ロートにその一定量(10~50 mL)を分取し、窒素置換をしてビフェニルナトリウム試薬10 mL(バイアル瓶の全量)を加え激しく振り混ぜる(反応は発熱性なので注意する)。青緑色が消えた場合(無色~茶褐色になれば、もう分解力がないことを示す)は、更に試薬を10 mL追加し反応が終っても青緑色が残るようにする。室温で5分間放置し、純水20 mLを加えて過剰の試薬を分解した後、5 mol/l-硝酸10 mLで抽出分離する。純水10 mLで抽出を繰返し、水層を合せて塩素イオンをチオシアン酸水銀-鉄法で比色定量する。

参考文献

参考文献を表示する

1) L. M. Liggett, "Determination of Organic Halogen with Sodium Biphenyl Reagent", Anal. Chem., 1954, 26, 748.
2) D. L. Maricle, "Coulometric Titration of Reducible Organic Compounds with Biphenyl Radical Anions", Anal. Chem. , 1963, 35, 683.

よくある質問

Q

余ったSodium biphenylを処分したいのですが、どのように処分すればよいのでしょうか。

A

Sodium biphenylの廃棄に関してはそのものの状況により異なります。
また、過剰の試薬を分解する際、希に一瞬発火することがあります。
分液ロートでは直ぐに密栓すると引火することはありませんが、分解の際十分に注意して下さい。

1.未使用のもので青色である場合
1)未使用のSodium biphenylをヘキサン等で5~10倍程度に希釈して下さい。
2)溶液の青色が消えるまで、低級アルコール(メタノール、エタノールなど)を少しずつ加える。
 (激しく発熱する場合がありますので、十分に注意する)
3)ほぼ等量の水を加えて、激しく振り混ぜ、水層を分取する。
4)分取した水がアルカリ性でなくなるまで繰り返す。
5)有機相は焼却処分するか、廃棄業者に処分を依頼する。
6)水溶液は合わせて、希塩酸などで中和して廃水として処理する。

2.未使用だが着色がない場合
 上記の2)の操作を除いて、同じ方法で処理してください。

3.使用済みの場合(着色はありません)
1)有機相は焼却処分するか、廃棄業者に処分を依頼する。
2)水層は測定後、測定に使用した薬品に応じた廃水処理をする。

取扱条件

規格
性状: 暗青緑色液体
濃度: 約1 mol/L(製造時)
塩素(CI): 0.0005 w/v% 以下
取扱条件
保存条件: 冷蔵
危険・有害
シンボルマーク
炎感嘆符健康有害性環境
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