MitoComplex-I Activity Assay Kit

分画ミトコンドリア用Complex I活性測定キット
- 分画ミトコンドリアのComplex I活性が測定可能
- 同梱された試薬を添加するだけの簡便な操作
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製品コードMT18 MitoComplex-I Activity Assay Kit
| 容 量 | メーカー希望 小売価格 |
富士フイルム 和光純薬 |
|---|---|---|
| 100 tests | ¥45,000 | 345-10351 |
【ご注意】 本製品は分画済みのミトコンドリアサンプルを対象としています。
測定の前に、IntactMito Fractionation Kit for Tissue (製品コード: MT17)などを用いてミトコンドリアを分画する必要があります。
| 100 tests | ・Assay Buffer ・Assay Reagent ・Coenzyme ・Ubiquinone |
25ml ×1 ×1 ×1 ×1 |
|---|
ミトコンドリアComplex I活性評価
ミトコンドリア呼吸鎖Complex I〜IVは、それぞれ異なる電子伝達機能を担い、細胞のエネルギー代謝と酸化還元制御に寄与しています。中でもComplex I(NADH:ユビキノン酸化還元酵素)は電子伝達の起点であり、ミトコンドリア内における主要なROS(Reactive Oxygen Species)生成源として位置づけられています。
Complex Iの活性変動は、酸化ストレス応答や細胞死経路(特にネクロトーシスおよびフェロトーシス)の誘導に直結しており、病態形成における中心的役割を果たします。さらに、Complex I阻害によってCoQH₂(ユビキノール)レベルが低下し、脂質過酸化が亢進することでフェロトーシスが誘導され、がん細胞の選択的死滅を促進する可能性が示唆されています。
参考文献 : R. Deng et al., Cell Death Dis. 2025, 16, 254.
F. Basit et al., Cell Death Dis. 2017, 8, e2716.

ミトコンドリア電子伝達系
ミトコンドリア呼吸鎖Complex I〜Vの主な役割と関連疾患
| Complex (名称) | 主な役割 | 特徴 | 関連疾患・病態 | 参考文献 |
|---|---|---|---|---|
| I (NADH:ユビキノン酸化還元酵素) |
NADHからCoQ(ユビキノン)へ電子伝達 | ROS産生の主因、Supercomplex形成に関与 | パーキンソン病、 がん、虚血障害、 フェロトーシス誘導 |
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| II (コハク酸脱水素酵素) |
コハク酸からCoQへ電子伝達 | ROS産生は少ない、TCA回路と連携 | リー症候群、 ミトコンドリア病 |
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| III (シトクロムbc1複合体) |
CoQH2からシトクロムcへ電子伝達 | Supercomplex形成、ROS制御に関与 | 炎症性疾患、免疫異常、 ミクログリア機能障害 |
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| IV (シトクロムc酸化酵素) |
酸素へ電子を渡して水を生成 | 最終電子受容体、ATP産生に直結、酸素依存性 | アルツハイマー病、 パーキンソン病 |
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| V (ATP合成酵素) |
プロトンの流れを利用してATPを生成 | 膜貫通構造(F0)と回転機構(F1)を持ち、プロトンの流れによるF0の回転がF1にエネルギーを伝えATPを合成 | Complex V欠損症:NARP, MILS, 新生児ミトコンドリア脳症など |
ミトコンドリア活性評価関連製品
| 製品名 | 測定対象 | 装置 / 検出波長 |
|---|---|---|
| Extracellular OCR Plate Assay Kit | 細胞外酸素濃度 | プレートリーダー 蛍光 Ex: 500 nm / Em: 650 nm |
| JC-1 MitoMP Detection Kit | ミトコンドリア膜電位 | 蛍光顕微鏡, FCM, プレートリーダー 蛍光 緑:Ex 488 nm / Em 500-550 nm 赤 :Ex 561 nm / Em 560-610 nm |
| ATP Assay Kit-Luminescence | ATP | プレートリーダー 発光 |
| IntactMito Fractionation Kit for Tissue | ※組織用ミトコンドリア分画 | - |
技術情報
原理
Complex Iは、細胞内でNADH から電子を受け取り、Ubiquinone (Coenzyme Q)へ渡す役割を担っています。この電子伝達反応に伴い、ミトコンドリア内膜のマトリックス側(内側)から膜間腔側(外側)へプロトンが汲み出され、ATP合成に必要な膜電位の形成に寄与します。
本キットでは、分画したミトコンドリアに試薬に含まれるNADHとUbiquinoneを添加することで、Complex Iによる電子移動が起こりNADH が NAD⁺ に酸化されます。このときの吸光度340 nm の変化量(NADH の減少速度)を測定することで、Complex I の活性を評価可能です。
操作
キット同梱の試薬を添加するだけの簡単な操作で測定が可能です。

ミトコンドリア量に応じた活性評価
本キットを用いて、分画ミトコンドリア(タンパク質量として0 µg, 2.5 µg, 5 µg)におけるComplex I活性を測定し、
ミトコンドリア量に比例したComplex I活性値が測定できることを確認しました。

サンプル:ウシ心臓由来ミトコンドリア
0分から6.5分の吸光度変化率からComplex Iの活性を算出
Complex I特異的な測定
ウシ心臓由来ミトコンドリアを用いて、ミトコンドリア複合体の阻害剤と脱分極剤本キットを用いて、Complex I活性を測定しました。
結果、Complex I 阻害剤を添加したミトコンドリアのみ活性が低下し、本キットはComplex I特異的な活性を測定できることを確認しました。

<ミトコンドリア量> タンパク質量として5 μg/well
<処理条件>
ComplexI Inhibitore: 0.5 μmol/l Rotenone
ComplexII Inhibitore: 0.5 mmol/l TTFA
ComplexIII Inhibitore: 0.5 μmol/l Antimycin
ComplexV Inhibitore: 0.5 μmol/l Oligomycin
Depolarizing agent: 0.5 μmol/l FCCP
<解析> 0分から3.5分の吸光度の変化率より各酵素活性を算出
実験例:マウス脳組織から分画したミトコンドリアの活性測定
マウスの脳組織から本キットを用いてミトコンドリアを分画し、酸素消費速度(OCR)、ミトコンドリア膜電位(MMP)およびComplex I 活性を測定しました。
この結果、電子伝達系のComplex IIを活性化する基質であるコハク酸(succinate)を添加するとOCRおよびMMPが増加し、FCCP処理後のMMPが減少したことから、インタクトなミトコンドリアが分画できていることを確認しました。 さらにComplex I活性測定では、Complex I阻害剤であるRotenone処理による活性の低下を確認しました。

<実験条件>
OCR測定
ミトコンドリア量: 50 μg/well (タンパク質量として)
Succinate: 10 mmol/l
MMP検出
ミトコンドリア量: 50 μg/well (タンパク質量として)
Succinate: 10 mmol/l, FCCP: 4 μmol/l
Complex I 活性測定
ミトコンドリア量:20 μg/well (タンパク質量として)
Rotenone: 10 μmol/l
<使用製品>
ミトコンドリアの分画:IntactMito Fractionation Kit for Tissue (製品コード:MT17)
OCR測定: Extracellular OCR Plate Assay Kit (製品コード:E297)
MMP検出: JC-1 MitoMP Detection Kit (製品コード:MT09)
Complex I活性測定: MitoComplex- I Activity Assay Kit (製品コード:MT18)
よくある質問
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Q
ミトコンドリアを分画せずに、直接細胞のComplex I活性を測定することはできますか?
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A
直接細胞のComplex I活性を測定することはできません。Complex I活性の測定は、NADHを基準とした反応原理に基づいています。しかし、細胞内には内在性のNADHが存在するため、バックグラウンドの影響を受けて正確な測定が困難です。
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Q
凍結保存の有無は測定値に影響しますか?
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A
影響します。マウスの脳組織からミトコンドリアを分画し、分画後すぐのサンプルと分画後1日凍結保存したサンプルを用いてComplexⅠ活性を測定した結果、凍結保存したサンプルのほうがS/Nが明瞭になることを確認しました。
そのため小社では、一晩以上凍結させたミトコンドリアを使用することを推奨いたします。

<実験条件>
Rotenone : 10 μmol/l
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Q
冷凍したミトコンドリアはどれくらいの期間保存可能ですか?
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A
一晩以上凍結させたミトコンドリアを使用することを推奨しておりますが、Complex I活性は凍結保存中も徐々に低下するため、凍結後は可能な限り早めに測定いただくことを推奨いたします。
小社では−20℃で1ヶ月間保存した(脳組織由来)ミトコンドリアを用いて、Rotenone処理による変化を検出した実績がございます。
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Q
サンプル(分画ミトコンドリア)の定量方法を教えてください。
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A
小社では、BCA法を用いたタンパク質濃度定量を行った実績がございます。
ミトコンドリア分画に(MT17) IntactMito Fractionation Kit for Tissueを用いる場合は、Stabilization Buffer中にタンパク質が含まれますので、タンパク質濃度定量の際にはStabilization Buffer単独でのブランクを測定し差し引きしてください。
取扱条件
| 保存条件: 冷蔵,窒素密封,遮光,湿気厳禁 |








