これからはじめる CLAMP法 -細胞表面抗原の新たな高感度測定法-

 


CLAMP法の原理・操作手順・解析例

CLAMP法の原理・操作手順・解析例 (所要:約14分)

実験例・染色操作 ダウンロード
生細胞、固定細胞、組織を使用した7つの実験例と詳細な実験手順をダウンロードいただけます。

 


CLAMP法の特徴

1.CLAMP法は従来法の10-100倍程度感度向上が見込まれます
2.さまざまなサンプルに適用可能

  細胞表面抗原 細胞内抗原
生細胞 ×
PFA固定細胞
凍結組織/
パラフィン包埋組織切片

 

3.特定の抗原を発現している細胞のみを染色することが可能
4.染色後のサンプルは保存可能(1週間冷蔵保管可能であることを確認しております) 
※ 生細胞の場合染色後PFAで固定する必要があります

はじめに

細胞の特徴を解析するために、抗体を用いた表面抗原の検出法が汎用されており、サンプルに含まれる細胞のタイプの特定や、異常な細胞の検出などで利用されています。

細胞表面タンパク質の特異的検出には、蛍光標識抗体を用いた方法が広く利用されています。
ただし、この方法は感度が低く、発現量の少ない表面抗原に対しては適用が困難な場合があります。

そのため当社では、生細胞上の表面抗原を高感度に検出する方法(quinone methide-based catalyzedLabeling for Signal Amplification:CLAMP)を開発しました。

 

本技術では、細胞表面タンパク質に対する一次抗体、 β-Galactosidase標識二次抗体、およびβ-Galactosidaseの蛍光基質であるMUGFを使用します。

この蛍光基質は、無蛍光で細胞膜非透過性という性質を有しております。細胞表面タンパク質を介して細胞表面にβ-ガラクトシダーゼが存在すると、この蛍光基質が反応して、キノンメチド構造を有する化合物を生成します。

この反応生成物は細胞膜透過性を有しているため、細胞内に入り込み、細胞内のチオールやアミノ基などと反応して共有結合を形成し、蛍光を発します。この反応は抗原の量に依存したβ-Galactosidaseの存在により、色素が反応し細胞内に蓄積していきます。

このようなメカニズムで、細胞表面タンパク質特異的かつ低発現な抗原に対しても高感度に細胞を蛍光染色することが可能となります。

参考文献:Noguchi, K. et al., “β-Galactosidase-Catalyzed Fluorescent Reporter Labeling of Living Cells for Sensitive Detection of Cell Surface Antigens”, Bioconjugate Chem., 2020, 31(7), 1740–1744.

 


実験操作

 


生細胞への適用

1.A549細胞の蛍光染色(細胞表面抗原:CD44)

CLAMP法 蛍光標識抗体法 Control

1':抗CD44抗体
2':βGal標識二次抗体
dye:MUGF

1':抗CD44抗体
2':Alexa405標識二次抗体
dye:なし

1':なし
2':なし
dye:なし

 

 


2.CLAMP法での染色画像


CLAMP法による染色では細胞全体が均一に染色されるため、抗原の局在情報は得られない。

 


3.PD-L1発現細胞の蛍光染色(HepG2細胞)


 



PD-L1発現がある細胞を高感度に検出することができました

 


4.PD-L1発現細胞の選択的蛍光染色(HepG2細胞)

 

CLAMP法(MUGF) CFSE染色 Merge

PD-L1発現誘導あり
(INF-γ処理)

PD-L1発現誘導なし
(INF-γ)

 

PD-L1発現細胞を選択的に蛍光染色することができます

 


固定細胞と組織染色への適用

1.固定HeLa細胞での実績

生細胞のCLAMP染色 PFA固定細胞のCLAMP染色

CLAMP法
1':抗CD44抗体
2':βGal標識二次抗体
dye:MUGF

CLAMP法は、PFA固定細胞に適用可能です

 


2.凍結組織切片(マウス肝臓組織)での実績

蛍光画像 明視野と蛍光画像のmerge画像

CLAMP法
1':抗GLUT1抗体
2':βGal標識二次抗体
dye:MUGF

CLAMP法は、凍結組織切片に適用可能です

 


3.FFPE組織切片-ヒト小腸での実績


*画像提供:京都大学医学部附属病院病理診断科 平田勝啓先生
*TSA: Tyramide Signal Amplification

FFPE組織切片においても、CLAMP法による染色が可能である。
また、他の染色法との多重染色が可能である

 


フローサイトメトリーへの更なる改善

1.MUGF3:FCMの405nm励起に適した色素

蛍光イメージング(DAPI filter)に適している
(→FCM用405 nm励起には適さない)
  FCM用405 nm励起に最適化

 

 

2.MUGFとMUGF3の性能比較(細胞表面抗原:CD44)

 

MUGF3によるCLAMP法での結果は、MUGFと比べて約10倍以上高感度であった蛍光イメージングにおいては、MUGFとMUGF3は同程度の感度を有している

蛍光標識抗体法では検出できないような少ない抗原の一つであるPD-1を、MUGF3を用いたCLAMP法により検出できた

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