転移は乳癌死亡の主因だが、その分子機構の全貌は未解明な点が多い。本論文ではオートファジー関連171遺伝子から成るカスタムCRISPR-Cas9ライブラリを用い、MMTV-Neu由来腫瘍細胞をヌードマウス乳腺に同所移植するin vivoスクリーニングを実施した。解析の結果、Nsfl1c遺伝子産物p47が肺転移を選択的に抑制するキー因子として浮上した。p47欠損株は原発腫瘍の増殖に影響せず、肺転移のみを顕著に増強したことから、p47は転移カスケード初期を制御することが示唆される。 |
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In vivo CRISPR knockout screen identifies p47 as a suppressor of HER2+ breast cancer metastasis by regulating NEMO trafficking and autophagy flux
論文へのアクセスはこちら: Hao, M., et al, Cell Reports, (2024) |
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注目ポイント ・偏りのない in vivo CRISPRスクリーニングで、p47をHER2陽性乳癌転移抑制因子として発見 ・p47欠損によりNEMOの輸送が阻害され、その結果NF-κB活性化とオートファジー停滞を引き起こし、転移能を増幅 ・ヒト乳癌データでp47低発現は転移増・生存率低下と直結し、臨床バイオマーカーの可能性大 |
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関連製品 | |||
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アプリケーションデータ | |||
Bafilomycin A1 によるオートリソソームの形成阻害の解析
DALGreenおよびDAPRedで染色したHeLa細胞を用いて、リソソーム酸性化阻害剤バフィロマイシンA1(Baf.A1)により誘導されるオートファジーによる一連の流れの変化を評価した。飢餓状態と比較して、Baf.A1の添加によるオートリソソーム形成阻害条件下では、DALGreenの蛍光シグナルは減少した。一方、DAPRedの蛍光シグナルは同条件下で増加したことから、Baf. A1はオートファゴソームの蓄積を誘導した。
実験データ
<実験条件>
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