FSP1(Ferroptosis suppressor protein-1)は、グルタチオン-GPX4軸とは独立してフェロトーシスを抑制し、脂質過酸化を防ぐ第二のシステムとして最近同定された。本論文では、低分子ライブラリースクリーニングを用いて、FSP1の強力な阻害剤として、icFSP1に代表される3-フェニルキナゾリノン類を発見し、icFSP1がこれまでの阻害剤とは異なりFSP1の酵素活性を直接阻害するのではなく、FSP1を膜から移動させ相分離を介した凝集体を形成し、GPX4阻害との相乗効果を発揮することでフェロトーシスを誘発することを示した。 |
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Phase separation of FSP1 promotes ferroptosis 論文へのアクセスはこちら: T. Nakamura, et. al., Nature (2023) |
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注目ポイント ・FSP1は、フェロトーシスを抑制し、グルタチオン-GPX4軸とは無関係に脂質過酸化を防ぐ ・低分子ライブラリースクリーニングによって、icFSP1に代表される3-フェニルキナゾリノン類がFSP1の強力な阻害剤であることを示した ・icFSP1は、FSP1の酵素活性を直接的に阻害するのではなく、FSP1を膜から移動し相分離を介し凝集させることで、GPX4阻害と相乗的に作用する ・icFSP1は、in vivoで腫瘍の増殖を抑え、FSP1の凝集体を形成することを明らかにした |
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アプリケーションデータ | |
エラスチンによるフェロトーシスの誘導:細胞内取り込みと酸化還元バランスの評価 |
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目的:フェロトーシス誘導剤であるエラスチンを処理したA549細胞の細胞内代謝の変化を調査した。
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