フェロトーシスは、鉄依存性の非アポトーシス性細胞死の一種である。近年、フェロトーシスがオートファジー依存性細胞死の一種であることを示唆するような研究が増えつつあるが、フェロトーシスを制御する詳細な分子メカニズムは未だ解明されていない。本論文では、RNAシーケンシングスクリーニングにより、フェロトーシス中に腫瘍抑制タンパク質であるPar-4/PAWRが活性化することを示し、Par-4の遺伝子欠損はフェロトーシスを効果的に阻害する一方、Par-4の過剰発現は細胞をフェロトーシスへと誘導する感受性を高めることが明らかにした。また、Par-4誘導性のフェロトーシスはオートファジー機構によって駆動されるメカニズムであることを示した。さらに、Par-4のノックダウンは、マウス異種移植モデルにおいてフェロトーシスを介した腫瘍抑制を効果的に阻害した。これらの結果から、Par-4はフェロトーシスにおいて重要な役割を担っており、がん治療へのさらなる活用が期待される。 |
Tumor suppressor Par-4 activates autophagy-dependent ferroptosis |
注目ポイント ・Par-4/PAWR活性化は、フェロトーシスの発生に重要で、枯渇するとフェロトーシスを阻害し、過剰発現するとフェロトーシスを促進する ・Par-4のアップレギュレーションは、フェリチンを分解する選択的なオートファジープロセスであるNCOA4依存性のフェリチノファジーを促進し、遊離鉄の放出、脂質過酸化、活性酸素の産生を増加させる ・Par-4 の阻害はフェロトーシスによる腫瘍抑制を阻害し、がん治療への可能性を強調した |
関連製品 |
|
|
|
|
|
|
|
アプリケーションデータ |
エラスチンによるフェロトーシスの誘導:細胞内取り込みと酸化還元バランスの評価
|