セレン依存性グルタチオンペルオキシダーゼ4(GPX4)はGSH(還元型グルタチオン)にリン脂質ヒドロペルオキシド(PLOOH)を還元することで、(リン)脂質過酸化を阻害し細胞をフェロトーシスから保護している。しかし、他のリン脂質ペルオキシダーゼがフェロトーシスの防御にどのように寄与しているかは未だ明らかにされていない。GPX4を欠損した細胞でも、依然としてかなりのPLOOH還元能を示すことから、代替のPLOOHペルオキシダーゼが寄与している可能性が示唆されている。本論文では、PLOOH還元活性が報告されているチオール特異的抗酸化酵素であるペルオキシレドキシン6(PRDX6)の過剰発現はフェロトーシスを阻害しないが、その遺伝子欠損によって癌細胞がフェロトーシスに対して感受性になることを明らかにした。その効果は、PRDX6欠損マウス脳におけるGPX4発現の低下と、PRDX6欠損腫瘍を異種移植したマウスにおけるフェロトーシス感受性の上昇によって実証された。これらの結果から、PRDX6が細胞内セレン利用の制御とフェロトーシス感受性の決定において重要な役割を果たしていることを示唆している。 |
PRDX6 dictates ferroptosis sensitivity by directing cellular selenium utilization |
注目ポイント ・PRDX6はセレン受容体として働き、セレンの利用を促進する ・セレンはGS-Se-SGを介してPRDX6 C47に共有結合し、優先基質として機能する ・PRDX6欠損は脳GPX4を低下させ、腫瘍のフェロトーシスに対する脆弱性を高める |
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アプリケーションデータ |
エラスチンによるフェロトーシスの誘導:細胞内取り込みと酸化還元バランスの評価
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