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本論文では、パーキンソン病に関連するパーキンというタンパク質が細胞内のミトコンドリアとリソソームの接触を調整していることを明らかにした。ミトコンドリアとリソソームの接触は、リソソームが不良ミトコンドリアを分解し細胞の健康を保つために重要な役割を担っている。研究では、パーキンソン病患者のiPS細胞由来ドーパミン作動性ニューロンでミトコンドリアとリソソームの接触部位の減少がみられた。さらに、接触部位の減少に伴い、リソソーム内でのアミノ酸の蓄積とミトコンドリアにおけるアミノ酸の欠乏が明らかになった。また、パーキンはRab7というタンパク質の活性化を促し、ミトコンドリアとリソソームの接触を安定させる働きを持っていた。Rab7の活動を抑制するTBC1D15のノックダウンにより、ミトコンドリアとリソソームの接触およびアミノ酸のバランスの部分的な回復が示された。
これらの知見は、ミトコンドリアとリソソームの接触を修復する方法が病気の治療戦略に役立つ可能性を示唆している。
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Parkin regulates amino acid homeostasis at mitochondria-lysosome (M/L) contact sites in Parkinson’s disease
論文へのアクセスはこちら: W. Peng, et al, Sci. Adv.(2023).
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注目ポイント
・パーキンはRab7の活性化を促し、ミトコンドリアとリソソームの接触を安定させる働きを持つ
・ミトコンドリアとリソソームの接触が減少すると、ミトコンドリア内アミノ酸レベルの低下が見られ、不足したアミノ酸はリソソームに蓄積するといういう不均衡が生じる
・Rab7の活動を抑制するTBC1D15のノックダウンにより、ミトコンドリアとリソソームの接触およびアミノ酸バランスの部分的な回復が示された
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| 関連製品 |
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- リソソーム染色試薬
- LysoPrime Green, Deep Red - High Specificity and pH Resistance
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| アプリケーションデータ |
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CCCP及びアンチマイシン処理によるリソソーム機能とミトコンドリアROSの検出
CCCPとアンチマイシン(AN)は、ミトコンドリア膜電位の喪失に関連するミトコンドリアROSの誘導因子として知られています。最近の研究では、CCCPはミトコンドリアROSだけでなく、リソソーム機能障害も誘発することが示されています。本実験では、ミトコンドリアROSを観察するために、HeLa細胞をミトコンドリアスーパーオキシド検出用のMitoBright ROS Deep Redで染色し、リソソームの量とpHはLysoPrime GreenおよびpHLys Redでそれぞれ検出しました。MitoBright ROSとリソソーム染色試薬の共染色により、CCCPはアンチマイシンとは異なり、ミトコンドリアROSの誘導と同時にリソソームの中性化を引き起こすことが明らかになりました。
参考文献: B. S. Padman, et. al., Autophagy (2013)

<観察条件>
LysoPrime Green :Ex = 488 nm, Em = 490 – 550 nm
pHLys Red :Ex = 561 nm, Em = 560 – 620 nm
<使用製品>
リソソーム機能検出:Lysosomal Acidic pH Detection Kit (製品コード:L266)
ミトコンドリアROS検出:MitoBright ROS - Mitochondrial Superoxide Detection (製品コード:MT16)
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FCCP処理によるリソソーム機能とマイトファジーの検出
マイトファジー検出キットMitophagy Detection Kit(製品コード: MD01)とLysoPrime Greenもしくは既存のリソソーム染色試薬で染色したSHSY-5Y細胞に、マイトファジー誘導の刺激を与え蛍光イメージングを行いました。既存のリソソーム染色試薬では蛍光シグナルが低下し、マイトファジー誘導後のリソソーム局在を確認できませんが、LysoPrime Greenの蛍光シグナルは低下せず経時的なリソソームの局在が確認されました。


<観察条件>
LysoPrime Green: Ex= 488 nm, Em= 500-570 nm
Mtphagy Dye: Ex= 561 nm, Em= 560-650 nm
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