神経細胞は大量のエネルギーを必要とするが、解糖を行うことができるのか、あるいはエネルギーを維持するために解糖を必要とするのかは、不明であった。本論文では、メタボロミクス解析を用いてヒト神経細胞が解糖によりグルコースを代謝し、TCA回路代謝産物を供給するために解糖に依存していること明らかにした。また、GLUT3またはPKM1を欠損させたマウスでは、年齢依存性の学習障害、記憶障害が表れ、グルコース代謝の変化、脳容積の変化することを示した。GLUT3KO神経細胞では、神経末端の細胞質グルコースとATPが減少しており、ミトコンドリアの生体エネルギーとガラクトース代謝が代償的に変化していることを示した。これらの結果は、神経細胞が生体内で解糖を通じてグルコースを代謝しており、正常な機能には解糖が必要であることを明らかにし、低血糖症、脳卒中、アルツハイマー病(AD)など、脳内グルコース不足のさまざまな状態において、神経細胞のグルコース代謝障害が神経細胞の機能障害や変性に直接関与している可能性を示唆している。 |
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Neurons require glucose uptake and glycolysis in vivo |
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注目ポイント ・神経細胞は解糖を行い、エネルギー産生のためTCA回路代謝産物の供給に依存している ・神経細胞におけるGLUT3またはPKM1の欠損は、加齢に伴う学習障害、グルコース代謝の変化、脳容積の変化をもたらす ・神経細胞は正常な機能のために解糖を必要とし、解糖が阻害されると代償的にミトコンドリアが変化する |
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アプリケーションデータ | |||
2種類のがん細胞における代謝経路の比較<Lactate生成量とATP量による評価>
<OCR値による評価>
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