前転移ニッチ形成は、癌の転移伝播における重要なステップである。原発性腫瘍が転移部位に宿主細胞を誘導する方法として、血管のせん断流の結果、腫瘍由来の微粒子が排出されることがあるが、このような微粒子を常在の免疫細胞が取り込むことで、その表現型や機能にどのような影響を及ぼすかは不明であった。本論文では、マクロファージによる腫瘍由来微粒子の取り込みが、急速な代謝と表現型の転換を引き起こすことを示した。この転換はミトコンドリアの量と機能の増強、酸化的リン酸化の増加、接着分子のアップレギュレーションによって特徴づけられ、その結果、転移初期の肺では運動性が低下することを明らかにした。さらに、このリプログラミング現象は、mTORC2ではなくmTORC1を介したシグナル伝達に依存しており、腫瘍由来の微小粒子の取り込みによって誘導されることを示した。これら結果は、腫瘍由来微粒子の取り込みが、マクロファージの再プログラミングを誘導し、初期転移肺におけるマクロファージの運命と機能を形成するというメカニズムを支持している。 |
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Uptake of tumor-derived microparticles induces metabolic reprogramming of macrophages in the early metastatic lung |
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注目ポイント ・腫瘍由来の物質を取り込むと、マクロファージの表現型が再プログラミングされる ・マクロファージのリプログラミングは、腫瘍細胞に対するパトロール行動に影響する ・ZsGreen+マクロファージは、酸化的リン酸化を特徴とするミトコンドリア代謝の上昇を示す ・mTORC1は、ZsGreen+マクロファージにおける酸化的リン酸化とATP生産の増進に必須である |
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関連製品 | |||
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アプリケーションデータ | |||
エンドサイトーシス経路を介したエクソソーム取り込みの可視化時間依存的なエンドサイトーシスによるエクソソーム取り込みの様子を可視化しました。結果、ECGreen(製品コード:E296)とExoSparkler Exosome Membrane Labeling Kit-Deep Red(製品コード:EX03)で染色したエクソソームの時間依存的な集積による蛍光強度の増加が確認でき、共局在を示す白色輝点が増加していることが確認出来ました。この結果より、エクソソームはエンドサイトーシスを介して細胞内に取り込まれることが示唆され、エクソソーム本来の挙動を示していることが確認できました。
<観察条件>
<実験操作>
温度依存的なエンドサイトーシス変化の観察Jurkat細胞の温度依存的なエンドサイトーシスの変化をECGreen (製品コード:E296)とPlasMem Bright Red (製品コード: P505)を用いて可視化しました。 <測定条件>
<実験操作>
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