がん細胞は免疫細胞からミトコンドリアを獲得することで免疫を回避し、血小板はこれらのミトコンドリアを間葉系幹細胞 (MSC) に転送し、そこで代謝経路を再構築して、MSC の血管新生と組織修復能力を高めることが知られているが、ミトコンドリアが血小板とがん細胞の間を移動するかどうかは確認されておらず、ミトコンドリアが移行された後のがん細胞の変化は不明なままであった。本論文では、骨肉腫細胞が血小板ミトコンドリアを獲得し、それががん細胞の代謝状態を変化させて浸潤性間葉系状態への移行につながること、またミトコンドリアの移動は血小板におけるPINK1/Parkin-Mfn2経路の調節に依存することを明らかにした。また、GSH代謝経路がミトコンドリア移動プロセスの調節に重要な役割を果たすことを示した。これらの結果から、骨肉腫の肺転移における酸化ストレスの血小板ミトコンドリアおよびGSH調節の役割を証明し、ミトコンドリア移行の阻害または抗酸化活性の除去が早期骨肉腫転移の潜在的な治療法であることが示唆された。 |
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Cancer cells reprogram to metastatic state through the acquisition of platelet mitochondria |
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注目ポイント ・がん細胞はPINK1/Parkin-Mfn2経路を介して血小板ミトコンドリアを獲得し、転移状態に再プログラムされる ・移植された血小板ミトコンドリアは解糖代謝を促進し、グルタチオンペルオキシダーゼの発現を増加させた ・GSHは活性酸素を除去し、GSSGレベルを上昇させ、最終的には血小板ミトコンドリアの存在下で骨肉腫の肺転移を促進する |
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アプリケーションデータ | |||
ミトコンドリア電子伝達系の阻害
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2種類のがん細胞における代謝経路の比較<Lactate生成量とATP量による評価>
<OCR値による評価>
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