ミトコンドリアは酸素を酸化的リン酸化によって消費しATPを生成する重要な働きを担っている。一方、リソソームには加水分解酵素が含まれており、細胞内の不要物や損傷した細胞小器官を分解し細胞の恒常性を維持している。ミトコンドリアは物理的、機能的にリソソームと相互作用し、細胞の代謝を調節していることが知られているが、ミトコンドリアとリソソームの相互作用の様式や生物学的機能については、いまだ不明な点が多い。本論文では、低酸素が、ミトコンドリア間の接触と融合を通して、通常の管状ミトコンドリアを巨大ミトコンドリアと呼ばれる大きな構造へと変化させることを明らかにした。さらに、低酸素状態では、ミトコンドリアとリソソームの相互作用が亢進し、一部のリソソームが巨大ミトコンドリアに飲み込まれ、ミトコンドリアの活性酸素産生が促進されることを示した。 |
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Hypoxia-reprogramed megamitochondrion contacts and engulfs lysosome to mediate mitochondrial self-digestion |
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注目ポイント ・低酸素下では、ミトコンドリア間の接触と融合を通じて、通常の管状ミトコンドリアをより大きな構造(巨大ミトコンドリア)へと変化させる ・低酸素下では、ミトコンドリア-リソソーム相互作用が亢進し、一部のリソソームは巨大ミトコンドリアに飲み込まれる ・STX17-SNAP29-VAMP7複合体はこのプロセスを助け、ミトコンドリア分解の自己消化モードに寄与する ・この自己消化モードはミトコンドリアの活性酸素産生をエスカレートさせる |
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関連製品 | |||
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アプリケーションデータ | |||
リソソーム機能とミトコンドリアROS
リソソームとマイトファジーの共染色
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